諦められてきた社会の課題を根本から解決したい

江田翔太(Shota Eda)

参加プログラム:iLEAP TOMODACHI Social Innovation in Seattle, 2015
東京大学1年生(参加当時)

「社会貢献×ビジネス=新しい付加価値のあり方」。自分の方向性に自信が芽生える機会に。 

 SIIS TOMODACHI Scholarプログラム2015(現・TOMODACHI Microsoft Social Innovation and Leadership。以下、本プログラム)に参加する前は、NPOや社会貢献は「大変」、「疲弊する」といったネガティブな印象を強く持っていました。ですが、プログラム中にシアトルで活動するソーシャル・ビジネスの現場である「Fare Start(注1)」や「Theo Chocolate(注2)」などを訪れ、その考え方が大きく変わりました。

 実際のソーシャルビジネスに触れ、ビジネスを通して新たな価値を生み出すという付加価値のあり方を目の当たりにしたことが自分の心に大きく響き、とても前向きな気持ちになったんです。

 また、本プログラムはソーシャル・イノベーションやリーダーシップを学ぶだけではなく、「自分自身の内面と深く対話すること」や「相手を否定せずに受け入れる」という、日本では中々できない体験を通して自分の気持ちを整理することができたと思います。ありのままの自分でいることや、自分が目指すソーシャルビジネスを追求していくということに自信を持つことが出来るようになりました。シアトルで社会貢献とビジネスを掛け合わせているロールモデルの方々が生き生きと楽しそうに働いている姿を見て、志を追求することの魅力を存分に味わい、生涯にわたり志に従って行動する勇気が芽生えたのはこのプログラムのおかげです。

 
 プログラムを通して、「社会貢献×ビジネス」を確立していくためのヒントを得ることができました。現在、僕は起業という形で自分自身のビジネスを興していますが、ビジネスモデルを作る過程では、Microsoft社員の方や様々な方々にアドバイスをいただくことができたり、実際に仕事を持ってきてくれる仲間もいました。彼らからの言葉や協力で自信がつき、背中を押してもらったからこそ起業への第一歩を踏み出せたと感じています。

注 1)注1)「Fare Start」:プログラム期間中に参加者が訪れるソーシャル・ビジネスの現場の一つ。ホームレスや貧困層に対してレストランなどの就業スキルをトレーニングするだけではなく、実際に働く場所としてレストランやカフェを自社運営することで社会復帰へのステップを提供している。 http://www.farestart.org/ 
 
注2)「Theo Chocolate」:プログラム期間中に参加者が訪れるソーシャル・ビジネスの現場の一つ。シアトルを拠点にフェアトレードに取り組む。製造工程の全てを把握することでクオリティの高いチョコレート商品の製造とフェアトレードの理念を両立させている。 https://www.theochocolate.com/ 

自身が立ち上げた新サービスについてプレゼンテーションする江田くん

帰国後の挑戦 – 社会課題に取り組むNPO代表のつながりの場・社会起業家との出会い・そして起業

 僕が運営していたNPOのネットワークを活用して、帰国後すぐにNPO代表同士のつながり強化に取り組みはじめました。教育分野を中心としたNPO間のネットワーク作りとベストプラクティスの共有の場です。僕が運営するNPOは映像授業の提供が強みでしたが、呼びかけたつながりの場には多様な強みを持っている団体が集いました。実際に学校を訪問する形での出張授業を行っている団体、中学生や高校生など対象世代が異なる団体など、多様な団体と出会ったことで新領域に事業を展開する時のヒントをもらうことが出来ました。
 また、この活動を通して、数多くの社会起業家の方にもお会いし、自分自身もビジネスを通して社会課題に取り組みたいという思いに駆られ、ついにはアプリを開発する会社を立ち上げることにしました。

江田くんが立ち上げた新サービス「TASKEYA」

プログラムで学んだ「活かしあう」ことの大切さ

 プログラム中で学んだことに「相手との意見共有」と「お互いに高めあう」ということがあります。プログラム参加者は全部で25人いましたが、他の24人の仲間とのグループワークを通して、お互いの意見を受け入れたり、強みを活かしあえるようになりました。それが、帰国後の企業やNPOとのネットワーク作りに大きく役に立ったと思います。プログラムの仲間がソーシャル・ビジネスの第一人者の方を紹介してくれて、そこからさらに様々な社会起業家の方とお会いすることができました。その企業な意見交換の機会を通じて、日本における社会貢献とビジネスの掛け合わせ方を見出すことができたと思っています。

 今後は「諦められてきた社会の課題を根本から解決する」を軸に人生を歩んでいきたいと思います。そのために、自分自身が一番情熱と時間を捧げるスキルや立場は何かを見極め、またチャンスがあれば実際に事業を起こし続けていきたいです。本プログラムのコミュニティーには、信頼ができ、また志の方向性が同じ仲間たちがいます。今後も生涯にわたって関わり続けていきたいと考えています。

2017年7月6日掲載

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***プログラム後の参加者の挑戦をお届けする卒業生インタビューシリーズ。全6回に渡ってご紹介します。***

インタビュー・書き手:津田 光佳、登坂 直弥、本郷 真美
監修:川口枝里子

第1弾、 千葉 恵介 (Keisuke Chiba)さん:【仲間との経験を通して気づいた“自分の生き方”】

第2弾、西森千咲(Chisaki Nishimori)さん:【一生大切にしていきたい。プログラムで学んだ「自分自身を大切にし、本当にやりたいことをやる」ということ。】

第3弾、江田翔太(Shota Eda)さん:【諦められてきた社会の課題を根本から解決したい】

第4弾、菊本寛(Kan Kikumoto)さん:【「みんなが誰にでも、優しい社会」を創りたい。】

第5弾、三塩菜摘(Natsumi Mishio)さん:【“伝えたい人”の原動力を形にする】

第6弾、間瀬海太(Umita Mase)さん:【「発想の仕方を変える」―シアトルで学んだイノベーションの可能性】